文字サイズ・配色変更(試験版)

長い文章ですので、できるだけ目に優しい環境でお読みいただければと思います。

    背景
  • 元に戻す
  • ピンク
  • 青紫
  • 灰色
  • 反転
    文字サイズ
  • 元に戻す
  • 少し大きく
  • 大きく
    文字の太さ
  • 元に戻す
  • 太字
    行間
  • 元に戻す
  • 空ける

トップページ > > FF13 > その他

きもちをつたえる(カイアスとユールの場合)

「カイアス、いつもありがとう」 「何だ」 「いつものお礼。今日はバレンタインということだから」  そういうのもあったか、と思い起こし、後ろを振り返る。  今日摘んだであろう花束を、静かな微笑みで差し出してくる。……受け取りながら、今回はいつまでこうしていられるのだろう、という気持ちと、いつまでこうしていなければならない? という気持ちが、交互に去来する。 『時を、変えてはいけない。わたしたちは、この世界の秩序が保たれるよう、見守っているだけでいいの』 『私が、ユールを守る。これからもずっと』 『ありがとう、カイアス。あのね』 『……何だ?』 『……大好き』  誓約者は、すべてを記憶する。歴史も、人も。  ”一人として同じユールはいない”……と言ったのは私だが、最初に会ったユールに囚われているのも……私か。  あのユールはもう、いないのに。  なのに、ユールが生まれ変わり、また短い命を散らしていくのを、ただ見ているしかできない。 「泣かないで、カイアス」  それでも、目の前で不安そうに見上げるユールと話していれば、そんな感傷も些末なことに変わる。  一人一人違う。前の記憶はない。それでも、新たなユールの一面が見れた、そう思えばいい。  くだらない矜持だとでも言うだろうか? ……だとしても、構わない。 「……違うよ。悲しくて泣いているのではない」  安堵の表情。……それでいい。 「ありがとう。嬉しいよ、ユール」  おいでと言うと、幼い足取りで近づいてくる。膝に乗せて頭を撫でてやると、嬉しそうに柔らかく微笑む。  コクーン一つ落とす程度、造作もない。  この笑顔を少しでも長く見ていられるなら……何だって。
本編補完のノエル編を書いていたときの派生妄想ですね、これは……。カイアスも律儀にユールとの約束を守っているのかなとかそういうことを思いまして。そうしたらかわいい(?)それにしても、カイアスは書くの難しいですねとても。
きもちをつたえる ホープとアリサの場合 カイアスとユールの場合 ライトさんとノエルの場合(番外編?) ノエルとセラの場合 ライトさんとホープの場合 きまぐれ(ノエルとルミナの場合)