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子育て奮闘記 〜 つながっていく先

×こどもの日で○ろくさん@gansuns_6からの派生妄想で、いろいろすっ飛ばしたノエセラ子育て奮闘記の続き3。 ※LRFF13ネタなしです 前の話 さわがしくていとしい 「よしよし、おっぱいもらって、腹一杯だな。パパに代わるぞ。ママは少しお休みだからな」  満足そうに落ち着いた顔の赤ん坊を抱っこする。いつもみたいに腕に頭を乗せて横向きにする……と、まだ薄い眉毛が真ん中に寄った気がした 「……ふぇ」  あ……あれ? 「い、嫌なのか? やっぱり、ママがいいのか?」  まだ抱っこして10秒も経ってないのに……(`;ω;´)と思っていると、セラが横から助け船を出してくれた 「最近はね、縦抱っこの方が好きみたいなの」 「そ、そっか。そうだったな」  せっかく横抱っこするのも慣れてきたのになと思いつつも、アドバイスに従ってそろそろと赤ん坊の頭を持ち上げて、縦にして。尻の辺りを腕で抱えると、赤ん坊は少しぐらぐらしながらも、表情を落ち着かせてくれたε=( ̄。 ̄;)フゥ 「ほら。パパの抱っこも、ちゃんと好きだよね」  セラは赤ん坊に話しかけるように、言った 「そ、そうか? 自信ないけど」 「大丈夫、大丈夫。ほら、私より腕がしっかりしてて、安定するんじゃないかな? たかいたかいもしてもらえるし」 「そ、そっか」  あれからまた数ヶ月が経って 赤ん坊の顔も、すっかり赤みが取れて、人らしくなってきた  首が座り始めて、縦抱っこの回数が増えて。ささやかながらも、そっちがいいって主張も始まって  頭や手足を、よくばたばたと動かしてる  ごつん、ごつん 「いて、痛いぞ。いて」  縦抱っこすると、赤ん坊は、よく頭を俺の身体にぶつけてくる  頭突きなのか、なんなのか まあ動こうとしたら、勢い余ってぶつかってるんだろうけど  まあ、痛いって言っても、本当に痛いわけじゃないけどさ。どっちかって、そこまで動くようになったことが嬉しくもある(ノω`) 「う」 「……うー?」 「あ」 「あ?? セラ、何かしゃべってる!」 「ほんとだね。ノエルに、何か話しかけてるんだね」 「そうなのか?」  赤ん坊の顔が目の高さまで来るように、脇から持ち上げて  覗きこんで、聞いてみる  もっちりしたほっぺた  薄い藍色みたいな、くりっとした瞳で、俺を見る 「う」 「返事、した! ……なあ、何話してるんだ?」  問いかけると、小さな唇をもそもそと動かして、しばらくして声を発した 「…………あー!」  ひときわ高い声 「そうか……なるほど。理解した」 「ふふ、わかったの?」 「いや、全然」  くすくす、と笑い合う 「なあ、もっと話してもいいんだぞ」 「う」 「よし、いい返事。いい子だな」 「いい子だね〜」  セラが横から手を伸ばして頭を撫でると、赤ん坊はすうっと目を細めて、その小さな口を横に広げた 「あ……笑った!」 「うん! ふふ、最近、少しずつ表情も豊かになってきたよね。呼びかけると、にこーって笑ってくれるしね」 「へえ、そっか」 「それに最近、すごく動くようになってきたよね。保育園に行くようになって、いろいろ覚えることが多いのかな」 「へえ。やっぱり、行かせてよかったな」 「うん、……ありがとう」  育児休暇を取ってもうしばらく自分で育てるか、それとも保育園に預けて仕事に戻るか。ちょっと前、セラは随分迷ってた 『まだ小さいし、もう少し一緒にいたい気もして。だけど……』  でも、知ってた。セラが、ずっと望んでた”教える”仕事にも、戻りたがってること。だから 『保育園、預けよう。この子もすぐ、慣れるさ』 『えっ?』 『ただし、条件付き。身体はまだ本調子じゃないかもしれないから、無理は厳禁。辛かったら、すぐ言うこと』 『……ノエル。いいの?』 『やりたいこと諦める必要、どこにもない。俺の夢は、セラの夢。セラの夢は、俺の夢。……そういうこと、だろ? どっちが欠けても、不完全。俺達だけで頑張ることもないんだし、保育園の保育士さんにも、手伝ってもらってさ。まだまだ発展途上だけど、もちろん俺も手伝う。協力すれば、絶対何とかなる』 『うん……ありがとう、ノエル』  セラが心配してたよりもずっと、すんなり事は運んだ。人見知りが始まる前だからかわからないけど、赤ん坊も大泣きすることなく保育園に預けられてくれたし こうしていろんなこと、覚えてきてる  それに 短時間でもやりたいことに戻ったセラの嬉しそうな顔を見るのは、俺も嬉しいし。俺自身も、張り合いが出る 「このまま行けば、もう少しで、寝返りもできそうだね」 「寝返り、か」 「うん。そしたらそのうち、はいはいもできるようになるね」 「お前、すごいな。どんどんできること増えてるな!」 「う」  わかってるのかわかってないのか。赤ん坊は声を出して、もちもちした手足をぱたぱたとさせた  うん。すごい。こうしてできること、ひとつひとつ増えてく。 「大きくなったら、もっといろんなことできるんだぞ」 「そうだね。……この子、大人になったら、どんな風になってるんだろうね」  どんな人に、か。今じゃ、全然想像付かないけど 「そうだな……よく食べて、よく寝る人かな」 「それじゃ、今と変わらないよ?」 「想像力、貧困でごめん。まあでも、三つ子の魂百まで、って言うだろ? 料理人とか……睡眠研究家とかさ……わかんないけどさ」 「ふふ、でも、そういうのもあるかもね」  ふと、考える。それって、何年後? 今から、20年後とか? ……ってことは? 貧困な想像力でも、これくらいはわかる 「この子が大人になる頃には俺たちも、おじさんおばさんになるってことか」  そう言ったらセラは、微妙な顔を見せた 「どうした?」 「おばさんって言葉は……嫌かな」  心なしかセラは、唇を尖らせて抗議した 「なんで?」 「だって……おばさんだよ? なんかもう少し……」  ……そんなに嫌な言葉? 実際、そうなるのにな。俺だって、おじさんだし。まあ、セラが嫌って言うなら、そうなのかもしれないけど 「もしかして、失言? ——でも、セラはおばさんでもきっと、かわいい。おばあちゃんでも」 「えっ?」 「……ん?」  ……( *''-''*)(*''-‘'* ) 「……そうなれるように、がんばるね」 「別に……頑張らなくてもいいのにな」 「いいの。がんばるの」  ふふ、とセラは笑った 「ね、ノエル。その頃には……この子にも子供がいるのかな。私たちの、孫ってことかな? ——あ! もしかして、ひ孫まで見れるかな?」 「……ひ孫?」  前も、聞いたことはあったかもしれない。でも、使ったことは一度もない単語。はたと、その言葉の意味を考えてしまった 「そこまで行くと、俺には見たこともない世界。でも……あるって考えていいのか」  今までは、考えたこともなかった  でも、不思議なもんだな  そうやって、命が—— 「命……つながっていくんだね……」  セラが、ぽつり、と言った 「——うん……」  そんな風にして  これまでも、命がつながってきたこと そしてこの先も、またその先も、命があること  信じても、いいのか  この子が……つないでくれる?  もう前みたいに、ゲートを使って時代を飛ぶことはできないけれど  この子を通じて、遠い遠い未来の先まで、ずっと、ずっと……—— 「……子供ってさ。いるだけで、未来、感じるもんだな」 「……そうだね」 「それにさ、その頃にはこの世界、どう変わってるんだろうな。——……少しでもいい世界であるように、がんばりたい、な」 「……うん、そうだね。一緒にがんばろうね!」 「ああ」  自然と、頷きあう  こうして、気持ち、新たにしてくれる  こういうところも、子どもってすごい 「……よーし、たかいたかい!」  改めて赤ん坊の両脇をつかんで、高く持ち上げる  首ももう安定してるし、大丈夫  まだわからないかもしれないけど、口を広げて、にこーっと笑ってくれる  まともに言葉は言えないけど 楽しいこと、ってのがわかるのかな 不思議 「な! いい子だな」  って言った矢先に  ぶぶぶ……ぶりぶりぶりぶりっ 「……」ε=()\ (´=ω=`) 「あっ、うんちしたかな? よかった〜、あんまり出てなかったから」  ってセラは嬉しそうに、替えのおむつを手にして、びりびりと手際よく広げるけどさ 「なあお前……わざわざ俺の顔の前でうんちしなくていいだろ?」ε-(´・д`・ ) 「赤ちゃんなんてそんなものだよ。タイミングずらせないんだし」 「そうかな……どうも、俺の時だけこういうのが起きる気がする」  寝かせて服を脱がせて、茶色いのを拭いてやると、赤ん坊は嬉しそうに手足をぷりぷりと動かした。頼むから、もうおしっこはかけるなよ? 「気にしすぎだよ。それにまだ臭くないんだし、いいじゃない」 「そういう問題? ……いや、ちゃんと臭うぞ! ほのかな、熟成されたみたいな、酸っぱいみたいな……もわっと」 「はーい、オムツ替え終わったよ〜」 「あ、相手にしてもらえない……」Σ(´゚ω゚)・*;''.、 「そっそんなことないってば、もう」  そして……——  ごんっ 「……いてっ」  違和感で目を開けると、そこはまだ暗い部屋の中 まだ、朝じゃない  セラの寝息が、聞こえるような  でも、今、何かがぶつかってきたような……  何だ? 今の  痛みの発生源は、顔  ぎこちなく首をひねって隣を見ると、夜目に見えるのは、すやすやと眠るセラの顔……のはずだった、けど 「……」  視界にあったのは、何か大きな白っぽいもの  ど、どういう? 「……何だ、これ」  思わず上半身を起こすと——それは赤ん坊の足  最初は俺とセラの間で、同じ方向を向いて寝てたはずなのに。いつの間にか頭はセラの方、足は俺の顔に向けられてた 「あー、う……」  夜目にも、小さい手足をばたつかせてるところが見えた  覚醒? ま、また夜泣きする? だとしたらどうする? またセラを起こさなきゃいけないか、俺だけでもあやして寝かしつけられるか……  ——でもそんな心配、不要だった。しばらくむにゃむにゃしてたけど、そのうちまたすうっと静かになった  静かに、大きく息を吐く 「……」  なるほど。寝返り、打てるようになったんだな。よかったな。で、寝言ついでに蹴ったと。うん、よかったよかった。また一つできることが増えて、俺も嬉しい。でもな。人の顔、蹴るもんじゃないんだぞ? わかるか?  ——なんて言ったって仕方ないのは、わかってるけどさ つい、溜め息  せっかく夜泣きせずに寝てるのに、また起きたら大変。だから、赤ん坊の身体はそのままで、自分がベッドの下の方にずりずりと下がって、上半身をまた横たえた。  正直、狭い。足がベッドからはみ出る。でも今夜は、仕方ないってことにしとく 「……動けるようになるって、こういうことか」  まだまだ、騒がしくなりそうだ 続き まもってくれた人
ノエセラさんはやっぱり夫婦協力してる雰囲気だといいなあと思いますね(*^^*) ノエルはやっぱり天然たらし……ry

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