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長い文章ですので、できるだけ目に優しい環境でお読みいただければと思います。

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永遠の空の下 [空のように、ひとつに] (3)

前回のお話  [空のように、ひとつに] (2)  旅先で会った、焦げ茶色の髪の男の子。  偶然会って、一瞬だけ言葉を交わしたのが、2回。駅の改札で、そして市場で。  たったそれだけ。それだけなんだけど。  きょとんとした顔も。首をすくめて笑う仕草も。真剣な表情も。落とした時計を追いかける背中も。  どうしても、気になっちゃって。  どうしてか、わからないけど……また、会えたらって……。  旅先だし、もう難しいのかなって思ってたけど。  だけど……また、会えた—— 『——手を出すな! その子は、俺のエモノなんだ!』 『あんた、危なっかしいからな。3回も会ってたらどうせまた会いそうだし、ついてくよ。旅は道連れって言うし』 『あれ? もしかして——俺って……不審者?』 『でも、俺は……守るよ』 『俺は、ノエル。ノエル・クライス。……自己紹介、下手でごめん。……それで、あんたは——』 『……セラ』  そして、教えてないはずの名前を、呼んだ。 『あれ? ……私、教えてた?』 『……うーん』腕組みをして、うなって。『——わかんないけど、セラって顔してる』  だけど、変だなんて思わなかった。  3回会って、ずっと感じてた。……不思議な感覚。  顔を合わせるのも、話すのも、温かくて、何かすごく、自然のことみたいで。  だから、ついてくよって言ってくれたことも——本当は、嬉しいって  何かな、この感覚。  もっと知りたい。もっと、教えて。 「えっと……じゃあ、どこ行こっか?」  聞くと、ノエルは頭を掻いた。 「地図と路線図くらいは持ってるけど、実はちゃんとしたガイドブックって持ってなくて。今までは現地で聞けば十分だったし、意図せずに何かの風景に出会うのも楽しかったから。だから、実はどこが見所なのかわからない」 「そうなんだ。朝市も偶然だったの?」 「ああ。駅から出て、適当に歩いてたら突き当たった」  ……でも、偶然でも会うなんて、すごいのかも。 「そっか。でも、大丈夫だよ。旅行ガイドもあるし、駅の観光案内所でパンフレットももらったし」  といって鞄から取り出して見せると、ノエルは「へえ」と声を上げた。 「……なあに?」 「セラって意外と、しっかりしてるところもあるんだな」 「ありがとう……って、意外じゃないってば」 「どうかな」  ノエルは笑った。……しっかりしてない人みたいに、すっかり思われちゃってるのかな。  しょうがないところもあるって自分でもわかってるから、何も言えないけど。よそ見して時計も落としたし、人間違いで別の人に声かけて、困ってたなんてね……。 「セラはどこに行きたい?」 「えっとね……朝読んだ時に、少し気になってたところがあったの。確かこの広場から近かったはず」  ぱらぱらとめくって、それが載っていたページを探す。 「近くにね、大学があるの。大学自体もそうだけど、建物もすごく歴史的価値のあるものだって。あと公園も併設されてるみたい」 「へえ、いいな。じゃあそこに行くか。どっち?」  ノエルは指を左右に振りながら、聞いた。あ、地図。場所探さないと。  地図のページを開いて、指で追う。何とか広場と大学を見つけた……はいいけれど。 「えーっと、えーっと……」 「? どうした?」 「今、広場はここなんだよね……で、大きな通りが何本もあるけど……駅ってどっちなんだっけ。朝市の通りってどっち? えっと……」  方角がわからなくなって、つい、ガイドブックをぐるぐると回してしまう。と、ノエルが一言。 「もしかして……地図苦手?」 「……えっと」 「しっかりしてるって発言、撤回していい?」 「だ、だめ! ちょっと待って! えぇと——」 「どれ?」  ひょい、とノエルの頭が近づいて、ガイドブックに影が差す。距離が、近づく—— 「……んー、あっちだな。近い」  噴水の向こう側の通りを指差しながら、私のトロリーバッグの取っ手を持ち直した。 「なんか……悔しいな」 「ガイドブック持ってただけで、すごいって!」  そのことだけでも、ないんだけどね。 「旧市街にあって、800年の歴史のある大学……世界で最も古い大学の一つ。長く指導的な役割を果たしてきた。今でも世界ランキング上位に入り、多くの著名人を輩出……」 「へえ……すごいな。800年か」  ガイドブックで仕入れた情報を言うと、ノエルは感嘆の声を上げた。 「併設されている公園も、市民の憩いの場として親しまれている……って、ここのことね」 「へえ」  新緑の並木道を歩きながら、周りの広い芝生を指した。 「で、あれが大学の校舎、みたいだね。拡張もされてるから新しい建物もあるけど、大学創設時の建物も残ってて、文化財としても価値があるみたい」 「セラ、すごいな」 「えっ?」 「観光ガイドみたい」 「そ、そうかな? 読んでるだけなんだけどね」 「それでもさ。何も知らないで色んな風景に出会うのも楽しいけど、やっぱり背景知識を持って臨むと、また違うな。面白い」 「ためになってて、よかった」 「うん」  そんな風に笑いながら、歩く。  並木道の分かれ道から左手に曲がって、見上げると、大学の校舎。  建物自体はそれほど大きくはない。2階か3階の校舎。見えるのは、大きな時計台。大きな柱に支えられたアーチ型の入り口。古茶けた感じの赤レンガの壁に、たくさんの中世的な様式の飾り窓がついている。  出入り口からこの公園の間には、休暇中だと思うのに、ちらほらと人の姿が見える。私の留学先と同じように、ここでも短期コースをやっているのかもしれない。 「それにしても……すごいな。800年前からここにあるんだ」  そんな風にひとしきり感嘆の声を上げてから、ノエルは腕組みをして考え込んだ。 「13世紀?って言ったら……モンゴル統一とか、オスマン帝国成立とか……この辺一帯だと農業の発展? 人口増加? でも……この国はどういう時代だったんだろうな。……大まかな情勢は知ってても、特定の国になると、俺もまだまだ知らないんだな……」 「全部の国を知るのは、難しいよね。ふふ、ガイドブックとは別に、そういう本も必要そうだね。後で本屋でも探してみる?」 「それもいいな。世界史のおさらいしてるみたいだな」 「ノエルは、歴史好きなの?」 「うん。学校の授業の中で、一番好きだし、一番得意」 「本当? 嬉しい。なかなかそういう話をする人周りにいなくて」  お姉ちゃんもスノウもファングも"過去は振り返らない主義なんだ”って言いそうだし。他のみんなも……そこまでは興味なさそうだよね。ホープくんならきっと話せるとは思うけど——今話題のイケメン教授とそんな話をしたら、きっと私の方が全然ついていけない気がする。 「私もね、もともと歴史が好きなんだ。考古学も大好きで。だから、歴史的なものって言われると見たくなるの」  舗装された道を通って、校舎に近づく。たくさんの雨風の日を過ごしてきた、ざらざらした壁に手を触れる。きっと昔はもう少し白かったんだろうなって思う。そして、この校舎の中にはたくさんの人が、たくさんの思いを持って、そこにいた。 「こういう歴史のあるもの見てるとね、不思議とね、そこにいた人と対話してる気持ちになるの。この建物はどういう気持ちで建ててたのかなとか、今までここにいた教授や学生は、どういう気持ちで研究や勉強をしてたのかな……なんてね。ふふ、ただの空想でしかないんだけどね」 「いや……わかるよ」 「本当? ありがとう」  そこまで言ってから、思いついて振り返った。 「ねえねえノエル、ちょっと入ってみない?」 「大学の中? いい提案。でも、いいのか?」 「意外と入れるものだよ。それにほら、私たち大学生に混じってもおかしくないし」 「そんなもんか。よし、乗った」  ノエルも結構乗り気みたい。よかった。  明るいところから入ると、少し薄暗さも感じるけど。それとそこには事務室や売店、掲示板、奥の方には図書館への通路の案内板が見えた。中庭もあって、広々とした開放感がある。  やっぱり外よりも、中の方が学生さんの姿が多いみたい。 「質問。今ってまだ新学期始まってないんじゃないのか? さっきから不思議だったんだけど、なんでこんなに人がいるんだ?」 「あ、多分だけど、集中コースみたいなのが開かれてるんじゃないかな。外部の人に向けて、こういう休暇期間を利用して集中的に毎日授業をすることがあるの」 「へえ。納得」  近くにあった見取り図を二人で覗いて、大体の施設の場所を見て。 「……あ」 「ん?」 「ノエル。次、ここ行かない?」 「……賛成」  出入り口をくぐると、そこは広い空間になっていて、たくさんのテーブルと椅子が並んでいた。  ——何より、いい匂い。  壁にかかっていたシンプルなデジタル時計を見ると、12時半を過ぎて……というより。 「もう1時になりそうなんだね。どうりでお腹も空くよね……」 「……言えてる」  食堂の一面は床から天井までの大きなガラス張りで、柔らかい太陽の光が差し込んでいる。ガラスの向こうはさっき見かけた中庭。きれいな芝生の上に何人かの学生さんが座って談笑したり、本を読んだりしているのが見える。すごく開放的で、爽やかな雰囲気。  食堂の中は人がいるといっても学期中じゃないからか、ごった返すこともなく、どこか落ち着いた雰囲気。テーブルに座って食べながら話していたり、笑い合っている姿が見える。  私たちは思い思いに食事を選んで、お金を払って、そして窓側のテーブルに座った。  ノエルは見たもの一つ一つに対して、目をくりっとさせて反応した。食べ物を選ぶ時も、「色々選び放題だな」と楽しそうに言ってたし、テーブルまで歩く時もあちこち見回していた。 「へえ、こうなってるんだ。本当に問題ないもんなんだな」 「ふふ、そうだね。私の大学も留学先もそんな感じだから、大体どこも同じかなって思って」  そう言うと、ノエルはくりっとした目を今度は私に向けた。 「——セラは、大学生?」 「あ、言ってなかったね。うん、そうだよ。もうすぐ4年生になる。だからこの大学も、見てみたかったの。歴史が好きだからってのとは別でね、自分の大学とどう違うのかなって」 「へえ。年上、なんだ」 「……そう見えなかった?」 「そ、そんなこと言ってない」って首を振るけど、親指と人差し指を近づけて、言う。「でも……少しだけ。同じくらいかと」 「もう、素直なんだから」  笑いながら、ごめんってノエルは謝った。まあ今までのノエルとのやり取りで、私が大人っぽかったかっていったら——うん、違うよね……。  ノエルは頭を掻いて、続けた。 「でもその……いい意味。うまく言えないけど、気張らなくていいし。感覚的な表現だけど、同じ目線」 「そ、そうかな? てっきり私のこと、しっかりしてないし頼りないとしか思ってないかなって思ってたんだけど」 「そういうわけじゃない」  うん、とノエルは頷いた。  気張らなくていい、同じ目線……かあ。——初めて言われたかもしれない。  なんだろう。いつものみんなと一緒にいると、自分はそう思ってもないけどどこか"妹ポジション”っていう感覚があった。"無理しなくてもいいよ" "そこまでしなくてもいいよ"ってよく言われて、それはきっとみんなが私を大切に思って心配してくれるからだと思うけど、ちょっと違和感があった。私もできるんだから、大丈夫だよって。  でも、相手によっては、捉え方も違うのかも。ノエルにとっては、気張らなくていいって思ってくれるんだ。何だか、新鮮。私の方が年上だからかもしれないけど—— 「……ってことは、ノエルは年下なんだ」 「ああ。俺も、今度大学生になるんだ」 「そうなんだ。おめでとう!」  18ってことかな。しっかりしてるから、そういえば私こそノエルのこと同じくらいの歳って思ってたかもしれない。  だけどノエルは必ずしも嬉しそうな顔をしてるわけじゃなかった。 「あれ?」 「ん?」 「なんか……不安そうだね?」  聞くと、う、とうなった。 「バレたかな。覚悟はしてるけど…知らない世界に一人で放り込まれるのって、想像以上に怖くてさ」 「……知らない世界」  あれ? ……何だろう? その言葉—— 「外に出るの、楽しんでるつもりだけど。それでも、生まれた村以外のところで住むの初めてだし、平気かなって。勝手がわからないことも、多いしさ」  ……ノエルはしっかりしてるように見えるのに、心の中ではすごく不安に思うこともあるんだ。  それとも、逆なのかな? しっかりしてる分だけ、未来のこともたくさん予測して、ちゃんとしなきゃ、備えなきゃって気持ちになるのかな?  でもきっと、初めて違う環境で暮らすから、わからないことだらけだから、余計心配になるんだろうね。  だけど、知ってしまえば、本当は心配することじゃなかったってわかることもあるよね。少しでも、不安を取り除けたら…… 「勝手がわからない……例えば?」 「んー、例えば……あのさ、家にお金ないから、奨学金もらえることになったんだけど」 「へえ、そうなんだ。すごいね!」  奨学金なんてそれこそちゃんと勉強してないともらえないんだから、ノエルはやっぱりすごくしっかりしてて、勉強もしてるんだろうなあ。 「でも返さなきゃいけないし、生活費も必要だから、アルバイトしないといけないけど……  大学生のバイトって、何がいいのかなって思ってさ。稼ぐと同時に勉強の時間も確保したいから、時給は高い方がいいだろうな……ってくらいは思いつくけど。セラは、何かバイトしてる?」  バイト、かあ。確かに、最初は悩むかも。みんな、どうしてたっけ? と、いつものみんなのことを思い出す。  お姉ちゃんは新しくできたコンビニっていうところでアルバイトしたのは覚えてる。青と白のストライプの制服を着て、大型新人クルーって言われてるんだってよ!ってスノウが言うから、ついみんなで冷やかしに行ったんだよね。あの時のお姉ちゃんは——すごく印象深い。レジの仕事だっていうのに、にこりともしないし、挨拶もしない。無口にも程があるだろってスノウに爆笑されて。結局「なんで私が知らない奴らに笑いかけないといけないんだ!」って、そのうちに辞めてしまった。ホープくんには「じゃあ知ってる僕になら、素敵な笑顔を向けてくれるんですね?」と笑顔で言われて、お姉ちゃんは照れまくってて。そのもやもやをなぜかスノウにぶつけて「笑うな! 全部お前のせいだ!」って殴ってて——お姉ちゃんとホープくんは相変わらずいい雰囲気だけど、ある意味お姉ちゃんとスノウも「気張らなくていい関係」なんだよねえ、なんて……あ、考えが逸れちゃうところだった。危ない危ない。  そのスノウは大学内でノラカフェを立ち上げて、少しずつお金を稼いで——ってのは、正直参考にならないよね。カフェを運営するってバイトとしては違う気がするし、大体スノウはノラカフェに全力投球しすぎて、単位をたくさん落としちゃって——卒業できなかったわけだし。勉強もしたいっていうノエルには……参考にならないし、してもらったら困る。それでノエルが成績を落としたっていうことになったら、私、仮にも先生を目指す人として、責任感じるかも……。  ホープくんはどっぷり研究に浸かってたっていうし、それにお父さんがあの大学の理事をやってるくらいだし、きっとお金にも困ってなかったんだろうなあ……っていうのが、私の勝手なイメージ。  そういえば、ヴァニラは何をしてるんだろう? ちゃんと話聞いたことないかも……サッズさんは、どうしてたんだろう? ファングとサッズさんとノラのみんなは…大学生のバイト、っていう意味だとちょっと違うし。  ——まあ、ノエルが参考にできそうな話は何も知らないし……自分の話をするしかないよね。そんなにすごいことしてるわけでもないけど、でも体験談として話せばいいのかな。 「ノエルの大学はどうかわからないけど——私のところは大学構内にカフェがあって、そこでバイトしてるよ。それは時給がいいわけじゃないけど、大学の中だから移動時間もないし、知り合いがやってるから時間の融通も利くし」 「へえ。そういうのがあるといいな」 「あとね、家庭教師をやってたよ」 「家庭教師、か」 「うん。時給もいいし——」  そこまで言って、あ、違う、って思った。なんで家庭教師のバイトを選んだんだっけ? 時給がいい、でもそれは一番目の理由じゃなかったよね。 「でも、それだけじゃない。——それよりも私、先生になりたいってずっと思ってて。バイトでも、少しでもそれに近づけるようなことがしたくて」  みんなが自分の夢のために頑張ってるから、私も少しでも、自分の夢に近づける何かをしたいって思って——  家庭教師のバイトは、留学で中断することになったけど、すごく勉強になってる。勉強は、自分だけがわかってても意味がない。相手がわかるまで、ちゃんと一つ一つ教えないといけない——もちろん本当に先生になったら、複数の生徒を受け持つことだってあるから、一人一人にかけられる時間はもしかしたら減ってしまうかもしれない。だけど、相手の受け取り方を考えて教えるっていう基本的なことは、私の方が逆に生徒から教えてもらった気がする。 「へえ……セラ先生、か」  どきん、とした。  まただ。この感覚。ねえ、もう少し—— 「……やっぱりセラは、しっかりしてるんだな」 「えっ?」 「夢、持ってる。それにやってること、ちゃんと夢に繋がってる」  すごいものを見たような表情で、言うけど。  そんな風に思ったこと、ないのに。どっちかといえばみんなが頑張ってるから、置いていかれないように焦ってたのに。 「時給だけじゃない。自分の夢に繋がってるかどうか、か……重大な選択。  だとすると、悩むな。俺も、バイトって言っても下手なもの選べないな——」  あれ、そんなつもりなかったのに……プレッシャーになったのかな? 「そんな風に思わなくたって、大丈夫だよ。私だって、最初はそんなにはっきりしてたわけじゃないんだよ」 「そうなのか?」  ……何か、焦ってるのかな?  何て言えば、いいんだろう……。えっと、えっと。 「どっちかっていえば、みんなが次々にやりたいことを見つけていく中で……私だけ、焦ってた。今になれば、そういう刺激があったから私も頑張らなきゃって思えた、って思うけど——その時は、本当に必死だったんだよ。最初はどうしても、足が……踏み出せなくて」  そういえば、その感覚……少しずつ、薄まってきてるかもしれない。まだ完全に消えたわけじゃない、だけど、足を踏み出しても大丈夫なんだっていう感覚が、新しく自分の中に生まれてきてるかもしれない。  家庭教師のバイトもして。留学も、無事に終えて。旅行も、して。もしかしたら昔はしなかったかもしれないけど、他の大学の中にも入ってみたりして。——それは、ひとりじゃないけど…… 「でも今は、少しずつでもやりたいことに近づけてる、って思うから。バイトも、勉強も——  だから、ノエルも大丈夫。そんなに気負わなくても、絶対大丈夫だからね」  そう言うとノエルは、眉毛を持ち上げて、それから照れたように笑った。 「……セラ先生が言うなら、間違いないかな」  そう言われると、私の方こそなんだかくすぐったい。  なかなか足が踏み出せずに、焦ってたこと。それは自分にとっては、思い出したって嬉しいものじゃないけど、だけどそういう体験があるからこそ、こうして誰かを励ましたりできるものなのかな? なんて、そんなことを思う。  そういえば家庭教師の生徒からも、そんなこと言われたっけ——セラ先生が実体験で大丈夫だよって言ってくれると、すごく励まされるって。あの時は、すごく嬉しかった。自分のちょっとした体験が、誰かに役立つこともあるんだって。  ——そう思えば、いいことも悪いことも、全部が糧になってるのかなって思えるよ。 「なあ、他には? 大学生活ってどんな感じなんだ?」 「そうだね。結構、楽しいよ」 「楽しい?」ノエルは意外そうな顔をした。「結構大変なところかと思ってたけど」 「まあ大変な時ももちろんあるよ。勉強しなきゃ成績悪くなるし単位も取れないし、卒業できなくなっちゃう人もいるし」  ……スノウのことは彼は知らないから、言っても仕方ないから言わないけど。 「それに、さっき言ったみたいに焦ることもあるけど——でも、高校の時より、世界が広がってる感じがする、かな」 「世界が、広がる」  ノエルは、私の言葉を繰り返して、呟いた。 「自分の夢もあって、勉強もして——それに、友達もいるから」 「友達、か」 「うん。友達っていうより……仲間みたいなものかな?  私ね、大学の友達だけじゃないんだけど——ことあるごとに集まってる人達がいるの。不思議と縁がある人達でね。さっき言ってた大学の構内で一緒にバイトしたり、たまにはパーティーしてみんなで集まって、楽しく過ごしたり、真面目な話もしたり。  高校の時だったら、そういう過ごし方できなかったな、って思うの。授業受けて、友達とおしゃべりして、家に帰って。それも大切な時間だったって思うけど。大学はまた違うなって思う。いろんな人がいて、すごく……楽しい」 「そっか」  話を聞きながら何回も頷いて、そして、ノエルは言った。 「——セラの周りには、たくさんの人がいるんだな」  ふっと微笑むから、何だか…… 「うん、——そうだね。みんながいてくれるって、感じるよ」  ふいに思い出して、つけていたペンダントのヘッドを指に乗せて、ノエルに見せた。 「このペンダントもね、お姉ちゃんにもらったの」 「へえ。きれいだな」  お姉ちゃんがお土産にとくれた時からずっと着けてる、ピンクパールのネックレス。チェーンとパールの間は、もう少し強いピンク色をした菱形の宝石がついている。 「パール?……だよな。それと…周りの飾りもいいな」 「そうだよね。このハート形が、なんだかかわいくて」  パールの周りには、ハート形をあしらった金色の飾りがついているんだけど、それがすごく気に入っていた。留学中は、ずっと身につけてた。 「あ、それハートなんだ」 「……何に見えてたの?」 「いや、折り畳んだ羽みたいにも見えるなって」  そう言われて、改めて胸元で見直すと—— 「あ、ほんとだ。羽みたい……」  ハートにしか見えなかったものが、空を飛ぶ羽にも見えてくるような。すごく不思議。 「でもどっちにしても、似合ってる」 「あ、ありがとう。その……これをつけてると、お姉ちゃんが守ってくれてるような——それに、何か優しいものが私の隣にいてくれるような、そんな気がするの。お守りみたいな」  うん、とノエルは微笑んだ。何となく落ち着かない気分になる。 「あ、あと……小さい子だけど、こういうのももらったよ」  身体を傾けて、ノエルがずっと持っててくれていたトロリーバッグについているキーホルダーを見せた。ペンダントと違って身につけることはできないけど、ずっと鞄と一緒についてきてくれてた。 「チョコボ?」  ノエルは、チョコボのふわふわの黄色い飾りをなでるように触れた。 「うん。私が駅から出発する時に、もらったの。幸運のお守りだよって」  ドッジくんが顔いっぱいの笑顔で駆け寄ってくれて、渡してくれたんだよね。ドッジくんも、家族で元気にしてるかな……? 「……それに」 「ん?」  そういう、目に見える"モノ"じゃない。だけど私にはもう一つお守りがあるんだよ。  その声は、どこからか、私のことを応援してくれてる気がするんだ—— 「——う、ううん」  だけど、その言葉は声にならなかった。出発の時とっさにヴァニラには言えたことだけど。  ……どこからか声が聞こえるなんて、そんな不思議なこと……うまく説明できる気もしなくて。  ノエルは、持っていたフォークを置いて、目を閉じて。んー、とうなった。 「ど、どうしたの?」 「——いいな」 「えっ?」 「うん。セラは、お守りいっぱいあってさ。——セラは、たくさんの人に守られるんだな」 「……え」  ノエルは、目を閉じたまま言葉を続ける。私は、急に舌がもつれたように、言葉が出てこなくなった。 「目を閉じると、思い浮かぶ。  きっとたくさんの人が、セラの周りにいてさ。みんなセラのこと、大切に思ってて。守りたいって思ってるんだろうなって思ってさ。  そういう人達に囲まれて、セラが、幸せに生きてきたって想像する。そうすると、それだけで——俺、すごく嬉しくなる。幸せな気持ち、もらえる」 「……その……私…」  ぎゅうっと胸が、切なくなってくる。  どうして、そんな風に言ってくれるんだろう? 「みんなが…守ってくれるから……私もみんなを守らないとって」  何とか、それだけを言葉にするけれど。 「守られるだけじゃなくて、守る——か」  その言葉が、心のどこかの大事なものに、そっと優しく触れるような。 「うん。そうやってセラがみんなの気持ち受け止めて、感謝の気持ちを持って返そうってだけで、みんな救われるんだ。みんなきっと、喜んでる」 「……あ」  すごく、温かい気持ちが、流れ込んでくる。  でも、私は、自分の気持ちが——どうして?  本当に、その通りなんだよ。みんながいて、幸せに生きてきたと思うよ。  でも、そう思うのに、自分の気持ちを、言えてないっていう感覚に襲われる。  本当は、ちゃんと言いたいのに。  今、幸せにしてる。だけど、それは——誰かの——   *  食堂を後にして、大学内をぶらぶらと歩いて、それで夕方になって、はたと気付いた。 「えっと、セラは宿は、どこなんだ? 送るよ」 「……そういえば、決めてなかった」 「ちゃんと決めとかないと。まあ、俺も人のこと言えないんだけどな……」 「ノエルも? じゃあ、探さないとね」  急いでまたガイドブックやらパンフレットやらをひっくり返す。できるだけ安いけどセラが泊まっても安心のところ、でももう直前だし空きがありさえすれば文句は言わないよ、っていうことで、何とか大学からすぐ近くの小さなホテルに行き着いた。一見ホテルには見えない、普通の家みたいなレンガ造りの外観。だけど中は小綺麗で、手作り感のある雰囲気。クリーム色の壁紙と天井。歩くとギシ、と鳴る茶色い木張りの床の上には、茶色を中心に色んな色が織り込まれた大きなカーペット。落ち着いた赤とベージュの柄がはいった木の脚のソファの隣には、本棚があって何かの本が読めるようになっている。天井には、柔らかい色の光を放つ小ぶりのシャンデリア。  それと何より、ホテルの主人夫婦が屈託なくて、明るくて人が良さそうだったから。これならセラも大丈夫かな、って思った。 「それで、ツイン1室でいいの?」  その言葉に、セラが俺の顔を見上げた。 「って、その、別々の部屋だよ、ね?」 「そ、そりゃそうだろ? 当然」  そんなにびっくりした顔で見られても困る。逆にこっちが慌てる。 「だ、だよね。うん、ごめん」 「いいけど」 「なんだ。てっきりそうだと思ったのに。それにその方が安いのに」  奥さんの方が、快活に笑った。まったく、そういう冗談は程々にしてくれ。  結局シングルルームはないということで、ツインルームを2室借りることになった。 「じゃ、これが鍵ね。古いホテルだしオートロックなんて近代的なものはないからね。鍵は気をつけてね。朝は6:30から、すぐそこの食堂ね」 「どうもありがとう」  礼を言って、セラの荷物を持ち上げて螺旋階段のカーペットを一段一段踏みしめながら上る。 「とりあえず、これで宿は安心だな」 「うん、本当にありがとう。えっと……夕ご飯はどうする?」 「荷物置いて、ちょっと休んでから外出てみるか。さすがに今日歩きっ放しだし、休憩も必要だろ?」 「ノエルが荷物持っててくれたから平気だよ、ありがとう。でも、そうだね……じゃあ、30分後くらいにしよっか」 「了解。じゃあ30分後、ロビーで」 「うん」  荷物を渡して、それぞれの部屋に入る。  部屋には大きなベッドが二つ置いてあって、確かに少し手狭な感じはする。ベッドのそばはスペースがないから、少し歩きにくさはある。でも、やっぱり清潔感があって十分。古くてもテレビもあるし、それにバスルームもきれいだし、これならセラも安心だな——  そこまで確認して、荷物棚に荷物を置いて、今度は窓の外を確認する。外は、もう薄暗くなってきていて、街灯のオレンジ色の光が石畳の道路を柔らかく照らし始めているところだった。  すぐそばの道路をざっと見たところ、近くに食べるところは多くなさそう。となると少し歩くことになるか。夜はもっと周りに注意して歩かないとな。  荷物持ってくれてたから平気、とは言ってたけど。多少なりともセラも疲れてるだろうし、そこまで遠くなく、何か食べれるところを探すか—— と思って、ベッドに転がって身体をストレッチしながら、一部預かったパンフレットを眺める。  そんなことをして、ふと壁の時計を見てみると—— 「……まずい」  予定の時間を3分くらい過ぎたところだった。身体伸ばしながら読んでただけなのに、結構時間が経つのって早い。  すぐにバックパックをもう一度背負って、電気を消してドアを閉めて、鍵をかける。早足で廊下を歩いて、階段を一段抜かしで降りる。  だけど、ロビーにはセラの姿はまだなかった。 「セーフ?」  よかった。待たせるよりは待つ方が気が楽だし。ここで待ってればいいか。  そう思って、ソファに座って、気になってた本棚を覗く。 「あ、歴史の本がある」  これ読めば、この国の歴史のこともわかるかな。でもここで読み始めると途中で閉じることになるからな……まあ、でも、セラが来るまで少しだけでもいいか。  と、開いてはみたけど——やっぱり、人を待ってるとなるとあまり没頭できない。いつ来るかな、って少しの気配も逃さないように、どうしても集中が外を向く。  ……セラ、遅いな……  ロビーにあるアンティーク調の時計を見ると、予定の時間を15分くらい過ぎようとしていた。  さすがに、遅いよな?  本を閉じて本棚に戻して、もう一度螺旋階段を上る。  セラの部屋番号のプレートがかかった部屋にコンコン、とノックする。……無反応。中から物音がする気配もない。  あれ? 部屋出たのか?  またロビーに移動する。でもやっぱり見当たらない。ロビーは広くもないから、見逃すこともないし。  おかしいな……  仕方なく、フロントにも聞いてみることにした。 「あのさ。俺の連れの女の子、外出てった?」 「ん? 見てないよ。えーっと……鍵も預かってないし」  女主人の目線を追って、後ろにある鍵の棚を見る。やっぱりセラの部屋の鍵はそこにはなかった。 「そっか、了解。ありがと。——じゃあまだ部屋か」 「何、いないの?」 「うーん、行方不明。でも大丈夫。どこかにはいると思うから、探すよ」  ホテルの外に出てないなら、中にはいる。でもじゃあどこに? っていっても——小さいホテルだから、別にたくさん行く場所があるわけでもないし。ホテル内の食堂を覗いてみたけど、一組の老夫婦が食事をしているだけだった。そうなると結局、ロビーか部屋かってところだけど。  どこにいるんだろ。  でも——  ”どうする?”  また少しずつ、心が焦ってくる。  "何か起きてたら、どうする?"  ——嫌だ……  またセラの部屋の前に立って、ドアをノックする。やっぱり、反応はない。  試しに、ドアノブを回してみる。……回る。 「あれ? 開いてる……」  何か、また事件に巻き込まれた? とか……—— 「セラ!」  ドアを開けて、そこにあったのは——  すーすー、という、安らかな寝息と。ベッドの上で枕を抱き締めるようにして横向きで眠る、セラの姿。 「……おい……」  上体が倒れそうになって、思わず手を膝についた。  何なんだ。  はあ、とため息をつきながら、周りを見渡す。さっきまで俺が持ってたトロリーバッグも、肩からかけてた小ぶりのショルダーバッグも、荷物棚に置かれてる。特に開けた形跡はない。窓際の机の上も、俺の部屋と同じで、何も変わったところはない。ってことは——荷物もそのままに、ちょっと疲れたからベッドに横になって、いつの間にか寝た……ってところか。いい推理。俺、探偵になれるかもな——って冗談でも言いたくなる。  さっきは大丈夫って言ってみせたけど、やっぱり疲れてたんだろうな……はは。大学の食堂で話した後あたりから、何となく元気なさそうにしてたもんな。  うん、何もなくてよかった。ちょっと疲れて眠ってただけ。心配が現実にならなくてよかった。うん、そう思おう。きっとそれが正解……  はあー……と、自分でも驚くくらい深いため息。  なんとかまた上体を起こして、ベッドに近づく。 「おい、セラ。起きろ」  声だけで、起こす。反応はない。くそ、この睡眠の深さは何だ。  っていうか……  いや、あのな。確かに勝手に部屋に入ってる俺も悪いけど、そのスカートで無防備に寝るのはやめてくれ。その足、目の毒。いやむしろ、それ以上見えそう。見ちゃ駄目だ、俺。足下にいるのは危険だな、もう少し頭側に移動しよう。大体これが俺じゃなかったらどうするんだ? 隙だらけだって、何度言ったら…… 「……セラ」  今度は、静かに声をかける。  セラは、目を閉じたまま。静かな息づかいは、変わらない。  思わず、手を伸ばす。  そっと、髪に触れる。  ピンク色の髪が、さらさらと指をかすめて流れる。  動かない。ただ、呼吸に合わせて身体が上下するだけ。  "……駄目だ"  "セラ———"  伸ばした手。そのままセラの身体を抱き寄せたい、っていう衝動に駆られて——  ぎゅっと、手を握る。  ……何しようとしてた、俺?  いや、そういうわけじゃない。違う、そういう意味じゃない。だけど……  どうして、こんなにも。息が詰まるくらい、苦しいくらいの、気持ちになる?  「………」  首を振る。  はあ、と息を大きく吐いて。勢いよく吸って。 「……お、き、ろ! 食べるぞ、こら!!」 「!? わ、わ!!?」  耳元で大きな声を出したせいで、セラはようやく跳ね起きた。状況を飲み込めてないのかきょろきょろと周りと見渡して、ようやく驚いた顔で俺を見上げる。 「あ、ノ、ノエル? えっと……」 「あんたは毎回どうしてそうなんだ! 危険って、言ってるだろ? 寝るなら、ひとこと言え! あと、ちゃんと鍵かけろ!」 「え、えっ? 鍵? あ……」 「やっぱり、疲れてたんだよな? それは理解する。でも、最低限ってのがあるだろ? 何かあってからじゃ遅いんだからな!」 「ご、ごめんね……心配かけて……。いつもはこんなことないのに——」 「いつもはそうじゃない、大丈夫だって思ってた。大抵そういう気持ちが、油断につながる。命取りにだってなるんだ」 「——命取り……」 「大げさ?」  セラは、悲しそうに、静かに首を振った。 「また私、守られるばっかりなのかな……」 「違う。そういうことじゃない」  今度は俺が首を振る。 「セラ、言ってただろ? 守られるだけじゃなくて、守るって。セラがちゃんと自分を大切にしなかったら、どうなる? 人に教えることも、できなくなる。守りたいものを守ることも、できなくなる。——それに」  そこまでの話じゃないはずなのに、どうしてそこまで言う必要がある? 「セラは……考えたことある? 取り残される方の、気持ちなんて——」  胸が、すごく苦しくて、頭もどこか、はっきりしなくて。  自分でもわけわからないまま、心の中のもやもやを、ぶつけてるだけ……  この感覚、あの時と同じ。 『義務感を背負って、本心、隠してる』 『ノエル、納得してない』 『本当は……納得してない。なのに、怖いから、これでいいって言い聞かせようとしてるだけ』  ……ユールにそう言われた時と、同じ。  自分じゃどうしようもない気持ちが、胸の底から出てきて。 「だって、セラに何かあったらどうする? 俺、守るって言ったのに!」  俺……なんでそんなことまで言ってるんだ? 「……大丈夫だって、信じたかったのに——俺は、ひとりだけで、残されて——」  これじゃ俺、セラを怒ってるんじゃなくて…… 「——……ノエル」 「……何」  ベッドに座ったままだったセラが、立ち上がる。  見上げるアイスブルーの瞳が、悲しそうで……心配そうで。  その手が、伸びてくる。そっと、触れる。 「ごめん、ごめんね。——だから、泣かないで……」 (4)に続く
当初企画段階ではノエルとセラが出会って終わりでしたが、頑張って続いてみました。というのが3話以降です! 1〜2話よりも文字数増えてます。こまごまと書いて更新したいと思いましたが、私自身、ある程度書き溜めて公開する方が性には合ってる気がしますね……。 前半:設定文では「お互いのこと話したり(どこで?)」。本当に話してるだけになってしまったような……(・・;)いやーでも、二人が平和に話しているというだけでもう満足でして……ちょっとしたやり取りを書いてるだけで楽しいですね。 ハートにも羽にも見えそうなペンダントというのは最後の絵にある感じなんですが…ちょっと小さいでしょうか??? 後半:設定文では「夜は一応健全」。たかせさんと色々議論?させていただいたポイントです(笑)3行くらいで終わる予定だったのですが…予定外… いつもは文→絵の順番なのですが、セラが寝ちゃってたシーンは絵→文の順番で妄想させていただきました^^ その絵の方はまたたかせさんの画廊を見ていただければ!→ たかせさんの画廊 特に最後の最後のあたりは、再書き直しするくらい迷いました〜一体自分がどこに向かって書いてるのか、果たしてノエセラをどうしたいのか……段々わからなくなってきます。自分自身よくわからなくてスミマセン……。小説の設定以上に自分自身が予定外です。 そしてたかせさん、また素敵な挿絵をありがとうございます…胸がぎゅっとなりました…… どうなることか不安だらけですが細々と続いてます。 PS.そういえばこのサイトを立ち上げて1年が経ちます(2014/3/23で)。お読み頂きまして本当にありがとうございます!! 追加(3/27)ほたぴんさんからいただいた絵を追加しました…!!ちょっとしたやりとりを切り取って絵にして頂いて、感動ですほんと(;;)

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